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鉋(カンナ)の仕立て−台と刃をあわせる

1.鉋の仕立て−台をつくる
2.鉋の仕立て−刃をつける
3.鉋の仕立て−刃と台を合わせる
4.鉋の手入れ−刃線の維持

 鉋(カンナ)の刃だけを、台に入れてみます。このときには、まだ裏金は入れません。刃の頭を玄翁で軽く叩きながら、ゆっくりと台に入れていきます。図のようにするわけですが、刃の頭の中心を叩いても、刃が曲がっていくことがあります。
 刃の脇を透かしてみて、両脇とも向こうが見えるようにしてください。刃を固定するのは、刃の厚みであって、刃の幅ではありません。台と刃の脇が付いていると、刃が曲がってはいるもとです。また、両脇が付いていると、台が割れる原因にもなります。もし、脇が付いていれば、細いでさらっておきます。
 
 玄翁で叩いても、堅くて刃が入らない場合は、刃の裏一面を鉛筆でこすってから、台に入れてみます。そして、刃を外します。すると、台のところどころ(左下の図の青い部分)に鉛筆の粉が、黒く残っているはずです。

 鑿の刃をたてて、この黒い部分をそっと引っ掻きます。台を削るのではなく、黒さが取れるだけで充分です。台を削るつもりだと、削りすぎるので注意が必要です。何度か試みて、刃が台の裏に髪の毛1本くらいでるように調整してください。

 逆に緩すぎる場合は、青い部分に紙を貼ります。ひじょうに緩ければ、葉書くらいの厚紙を、気持ち緩い程度であれば、薄い紙を貼ります。いきなり張らないで、紙を挟んでまず調子を見てください。OKとなってから、紙を貼ります。

 裏金を付けない状態で、刃を仕込んで削ってみます。削る材料は、木目の素性が良いものを選んでください。桧か杉の節のないモノが良いでしょう。

 材料を水平な台の上におき、動かないように固定します。まず台の尻に釘を1本打ち、1センチくらい打ち残して、台の頭のほうへ折り曲げます。折り曲げた釘の頭に接して、もう1本釘を打ちます。削る板より短く頭を出しておき、ここに削る板を引っ掛けて固定します。

  鉋を材料にのせたら、刃が材料の先端にかかるように、材料より前にだします。右手で台をつかみ、下に押さえるように鉋を引きます。左手は鉋の頭に添える程度です。

 刃をだす量ですが、台から髪の毛1本程度が適正です。左右そろって平均に髪の毛1本でるように調整してください。かろうじて刃が出ている程度です。おそらく気持ちよく削れるはずです。
 刃が板にかからないで、するすると滑るようであれば、もう少し刃をだしてみます。けっして出し過ぎないでください。

 鉋を引く時は、引く力と押さえつける力を半々くらいにします。下腹に力をいれ、息を止めてそのまま手前に引きます。材料が長ければ、力を入れたまま手前にと歩いてきます。腕で引くのではなく、歩いて身体全体で鉋を引いてきます。早足で引いてはいけません。

 鉋に入る力が変わると、削り面が波打ってしまいますから、同じ一定の力でゆっくり引いてきます。鉋削りは、ゆっくり引けば引くほど良いのですが、ゆっくり引くのは非常に大きな力が必要です。つい早く引いてしまいがちですが、できるだけゆっくり引いてください。

 鉋屑がでて、削れているはずです。刃をだす量を調整しながら、削る調子を見てください。刃線が直線であれば、台から刃の出た量が、削る厚みを決めます。なるべく薄い鉋屑が出るように、何度か調整していきます。

 次に、裏金を仕込みます。裏金で削るわけでありません。裏金の目的は逆目止めです。刃のうえに裏金をのせ、裏金の頭を玄翁で叩いていきます。真ん中を叩いても良いのですが、裏金が刃先に近くなったら、左右を少しずつ叩きます。
 刃と裏金の関係は、刃先から裏金が髪の毛1〜2本程度もどった位置です。台の口を透かしてみて、刃の裏が髪の毛1〜2本程度みえるように調整してください。
 
 刃と裏金のあいだを透かしてみると、刃と裏金がぴったりとついて、むこうに明かりが見えないはずです。ここが透いていると、鉋屑が挟まってしまいます。もし、透いているようなら、金剛砂を使って金板のうえで、刃を平らにしたのと同じように裏金を平らにします。

 裏金を刃先に合わせると、裏金が刃先を押すので、裏金がなかったときより、刃が少し出たはずです。刃をすこし戻し、適正な量に調整しなおします。これで削ってみてください。削れればOKですが、問題が出ているかもしれません。

 刃だけのときは、台の口(ここを木っ端返しという)の勾配が、大きく上開きになっていました。しかし、裏金を入れたために、台と裏金が平行になっていませんか。今の鉋台は、裏金を入れても上開きになっているはずですが、平行になっていると鉋屑がうまく排出されません。

 裏金がなかったときには、鉋屑が刃にそって素直に出てきたのですが、裏金があるために裏金で折り曲げられて、鉋屑は木っ端返しにあたります。ここが上開きになっていないと、鉋屑の行き場がなくなってしまいます。

 裏金を入れなくても、口の幅がきわめて狭ければ、逆目はおきません。しかし、狭い口幅を維持するのは、至難の業です。口幅を広くしても、裏金を使って逆目を止めたほうが楽です。裏金のせいで、引くのに力がより多く必要になりますが、それでも裏金が逆目を止めてくれます。

 裏金を入れても、木っ端返しが上開きになっていれば、裏金をつかっても充分に削れます。
 裏金と刃先の関係を、何度も試してください。裏金を刃先に近づけすぎると、逆目は止まるが鉋屑が詰まりますし、反対に離せば逆目は止まりにくくなります。逆目の程度は、削る材料によって違いますから、実際に削るモノを相手にしたときに調整してください。
 
 鉋(カンナ)の刃より幅広の材料を削ると、刃の耳が立つことがあります。これは刃線が平らなために、削った分だけ板がなくなって、段差ができるものです。この段ができるようになれば、もう1人前に近いのです。あとは可能な限り、薄い鉋屑をだせば段差はなくなります。そして、材料の片側から、反対側に少しずつ、カンナを送っていけば、段差はつきません。
 板削りのように、厚い鉋屑をだす場合は、カンナの刃線の両端を少し丸めます。いまでは電気鉋(カンナ)で下削りをしますので、あまり厚い鉋屑をだしません。しかし、厚く削るには、刃幅を狭くしないと、引ききれません。ですから、刃線を丸めて、刃幅を狭くしているのです。

 これで鉋(カンナ)が使えるようになっています。あとは木っ端返しと、裏金、刃先の関係を調整しながら、使いやすいカンナに仕上げていきます。

1.鉋の仕立て−台をつくる
2.鉋の仕立て−刃をつける
3.鉋の仕立て−刃と台を合わせる
4.鉋の手入れ−刃線の維持
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