サーファー プロジェクト      建築用語集
No.00 問い合わせがあった No.01 敷地の状況 No.02 設計依頼と試案提示 No.03 試案の提示−その2
No.04 定例の打合せ No.05 天井と室内仕上げ No.06 仕上げ、地盤 No.07 地盤と基礎
No.08 床下の話 No.09 無垢材か集成材か No.10 建築確認申請 No.11 見積と施工者
No.12 請負契約と銀行 No.13 着工した No.14 プレカット No.15 根切り開始
No.16 コンクリート打設 No.17 基礎とヘルスコート No.18 上棟前の仕事 No.19 上棟した
No.20 屋根と筋違 No.21 中間検査 No.22 現場の年納め No.23 新年を迎えて
No.24 細かいところ−T No.25 細かいところ−U No.26 細かいところ−V No.27 細かいところ−W
No.28 階段と屋根際 No.29 建て主の参加 No.30 ほぼ完成 No.31 最後の仕事
No.32 引渡し No.33 6ヶ月点検
建築主さんのブログ<junjun>へ

大工道具・電動工具やインテリア洋品を探すなら TAKUMI Amazon
TAKUMI Amazonから、タクミ商店に使えそうな道具を集めてみました。

No.06 仕上げ、地盤

 建築を形にするためには、図面が使われる。
かつては製図板にむかって、鉛筆で描いていたが、いまではパソコン相手にキャドで描いている。
鉛筆で描こうと、キャドで描こうと、建ち上がる建物は同じである。
しかし、美しい図面を描く自信がないと、今では鉛筆で描くのはむずかしい。

室名 天井
1F 玄関 杉無垢板 珪藻土クロス PBにAEP

トイレ CFシート 珪藻土クロス PBにAEP

厨房 CFシート ビニールクロス PBにAEP

居間 杉無垢板 珪藻土 PBにAEP
2F 居室−1&2 杉無垢板 PBにAEP 垂木表し

洗面所 CFシート タイル PB、AEP
PBにAEPとは、石膏ボードのうえに水性塗料を塗る仕上げ

 鉛筆で描いた図面は、何となく古くさく見える。
流行とは恐ろしいものだ。
キャドで描いたほうが、建築主の受けも良いように感じてしまう。
ということで、若い人たちと同じように、ボクもキャドで描いている。
ちなみにキャドの使い方は、若い人が教えてくれた。感謝。

 右の表が仕上げ材を書いたものだ。
もちろん、図面としての仕上表には、下地や仕上げ材の品番なども書くので、A3のおおきさになる。

 今回は、建築主も施工に参加するので、セルフビルドの境界線を引いておかなければならない。
厨房のタイル貼りは、全面的にセルフビルドにした。
面積も狭いし、足場もいらないので、素人でも大丈夫だろうと思う。
しかし、2階の洗面所の壁をタイルで、と言われたときには、ずいぶんと迷った。
壁の4面を天井際までタイルを貼るとなると、水平も出さなければならないし、上のほうは足場にのらなければならない。
大丈夫かな〜としばらく考えたが、面積も広くないし、圧着張り工法ならできるだろうと決断した。
たぶん、ボクも参加することになるだろう、と覚悟している。

 1階は生活にすぐ必要で、仕上がっていないと、生活するのに差し支える。
そこで、1階は厨房のタイルを除いて、原則として、本職にやってもらうことにした。
もちろん床は、ぜんぶ大工さんに施工してもらう。
1階の壁も本職に任せる。しかし、2階は広いし、真ん中で生活すれば、壁際は空けておける。
そこで、2階の壁は、さんたちのセルフビルドでいくことにした。

 建築主は自分の職業をもっており、毎日、現場に出るわけにはいかない。
そのため、施工者の工程とすりあわせが難しいので、セルフビルドは工程とは関係のないように計画するつもりである。
しかし、木造住宅だから、建築主の施工参加も可能なのである。
これがコンクリート住宅なら、セルフビルドは無理だろう。


 ここで地盤と基礎の話をしてみよう。 
木造住宅はとても軽い。
これはコンクリートや鉄骨造など他の工法に比べて、大きな利点である。
最近では基礎が布基礎から、より頑丈なベタ基礎に変わってきた。
そのため、木造住宅が重くなってきた。

 木造住宅の荷重は、1階当たり200Kg/uくらいだろうか。
それにたいして、コンクリートの重さは、1立方メートルあたりで2.5トンである。
つまり、20センチ厚さのベタ基礎にすれば、基礎だけで500Kg/uになってしまう。
2階建てにしても、上部の建物部分より、基礎のほうが重いのだ。

 ところで、サーファープロジェクトが建つ場所は、図のような擁壁上である。
前面道路から3メートルの擁壁で仕切られており、しかも車1台分の駐車場がトンネルのように、敷地の下に潜り込んでいる。
擁壁があるということは、建物の下になる土地は埋め戻したということだ。
埋め戻した土地は、地耐力を云々する前に、かならず沈む。
木造住宅をベタ基礎にすれば、全体的に沈むので問題のない場合もある。 

茶色い部分が住宅を示す

 しかし、この敷地の場合、トンネル状の駐車場があって、建物下の土の厚さが、東側と西側ではおおきく違う。
駐車場の上は、土が70センチくらいしかないが、他の部分は3メートルもある。
そのため、土の沈下する量が違ってしまう。
いかに木造住宅が軽くても、その上に家を建てると、不同沈下することが予想される。
この敷地は、何らかの処置が必要である。
地盤改良をするか、基礎をもとの支持地盤まで下ろしてやらなければならない。

 どんな処置をするかは、地盤調査をしてから決定する。
住宅の場合は、手軽なスウェーデン式サウンディング試験が使われることが多い。
この試験はおおむね5万円くらいで行われており、ここでも、この試験をやるつもりである。
大規模な建築では、ボーリングか載荷試験を行うが、もちろんこちらのほうが高価で、20〜25万円くらいかかる。
 
 地盤改良には、とてもお金がかかる。
かつてシステムキッチンが出はじめた頃、ひどく高価だった。
システムキッチンを高級品として売りたかったのだろ。
建築主も高級なシステムキッチンを買ったという、満足感が欲しかったのだろう。
だから、なかなか値崩れしなかった。
それが今では、システムキッチンもずいぶんと安くなった。

 地盤改良も同じだろうと思う。
いま、建築主の関心が<安全>に向いており、地盤改良も高級品なのだ。
建築行政も小規模な建物にまで、地質調査や地盤改良を要求し始めている。
建築主も、お金をかければかけるほど、安全になると信じている。
だから、高級品である地盤改良に需要が集まる。
地盤改良の原価は安いものだが、地盤改良業者も強気で商売ができるのだ。

 どんな基礎を選ぶか。
安全はつねに費用とのトレードオフである。
絶対に壊れない建物を望むなら、トーチカのような構造にすれば良い。
トーチカは爆撃にも耐えるし、大地震にもビクともしない。
しかし、トーチカは使い難いし、膨大なお金がかかる。
住宅は住むために建てるのであり、爆撃から身を守るために建てるのではない。

 1200万円の住宅の骨組み、いいかえると大工工事にかかる費用は、おおむね360万円である。
No.03を参照して欲しい)
1200万円の住宅に、500万円の地盤改良費がかかるとしたら、どう思うだろうか。
やはり対費用効果を考えないわけにはいかない。

 構造計画とは、安全な工法のなかで、もっとも安価な構造を導き出すものである。
いくつかの工法があって同じくらに安全なら、もっとも安い工法が選択されるだろう。
構造計算とは、たんに安全を確認するためのものではない。
安全な工法をとった場合、もっとも安い方法を確定するものだ。

 太い柱ほど頑丈だという風評があるが、地震には柱の太さは関係ない。
上からの荷重は柱が担っているが、地震のように横からくる力には、壁が抵抗するのだ。
太い柱にお金を使うなら、構造用合板にお金を使ったほうがはるかに良い。
どこに構造用合板を使うのが良いか、その根拠を示すのが構造計算である。

 基礎も地盤との関係をみながら、もっとも安全で安価な工法が選定される。
基礎については、次回にもう少し考えてみたい。

(2009.09.14)

次へ
〈タクミホームズ〉のトップへ戻る