サーファー プロジェクト      建築用語集
No.00 問い合わせがあった No.01 敷地の状況 No.02 設計依頼と試案提示 No.03 試案の提示−その2
No.04 定例の打合せ No.05 天井と室内仕上げ No.06 仕上げ、地盤 No.07 地盤と基礎
No.08 床下の話 No.09 無垢材か集成材か No.10 建築確認申請 No.11 見積と施工者
No.12 請負契約と銀行 No.13 着工した No.14 プレカット No.15 根切り開始
No.16 コンクリート打設 No.17 基礎とヘルスコート No.18 上棟前の仕事 No.19 上棟した
No.20 屋根と筋違 No.21 中間検査 No.22 現場の年納め No.23 新年を迎えて
No.24 細かいところ−T No.25 細かいところ−U No.26 細かいところ−V No.27 細かいところ−W
No.28 階段と屋根際 No.29 建て主の参加 No.30 ほぼ完成 No.31 最後の仕事
No.32 引渡し No.33 6ヶ月点検
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No.04 定例の打合せ

<試案−5>
 7月にはいると、1週間に1度、喫茶店で会うことになった。
前回にでた要望を入れるように、建築計画を練り直す。

 1階にもトイレをもうける。
トイレを作るのは、まず玄関の南側にとって<試案−2>とした。
しかし、<試案−2>は玄関の窓をつぶすことになり、採光もなくなるし通風がなくなる。
そのうえ、家のなかをぐるぐる回れなくなってしまう。
最悪のプランである。

 <試案−3><試案−4>では、トイレを玄関の隅に寄せてみた。
厨房を北向きにしたり、洗濯機の置き場所を玄関にするとか、いろいろ考える。
たしか玄関脇にサーフボードを置きたい、と言っていたことを思い出す。
これじゃ、サーフボードをおく場所がなくなってしまう。
よって、これもボツ。

 <試案−5>になった。
玄関と厨房のあいだに、トイレをとろうと思う。
厨房のガス台や流し台が一列配置で、しかも長めにしてあったので、ここを詰めても大丈夫そうだ。
右図の<試案−5>で何とか対応できそうだ。

 最初の<試案−1>では、玄関から厨房が丸見えだったが、玄関と厨房は引き戸で仕切ったらどうか。
引き戸なら開けておけるし、通風も確保できる。
玄関を囲ったので、ふつうの住宅のようになった。

 さんたちから、玄関から直接に個室ゾーンへは行けないように、という希望がでていた。
帰宅したら、かならず家族の顔を見るような間取りが希望である。
これも良いアイディアだと思う。
ぐるぐる回れるのは良いが、この案だと玄関から直接2階へ行けてしまう。
これには、階段部分の扉には鍵をつけることで対応しよう。

 基本計画をつめるために、週に1度くらい、ボクたちは喫茶店で時間を過ごしていた。
7月も後半になって、<試案−5>でおおむねの方向性が決まってきた。


玄関とトイレ部分の拡大模型

 玄関のイメージを模型にしてみた。黄色い扉が階段踏込をへて、居間への通路となる。
人形の後ろが厨房への扉で、左側がトイレである。
黄色い扉の右の窓は、目線より下にグッと低く決める。
窓の外には植え込みを作って、玄関に立つ人の目を楽しませたい。

 1階にトイレを作ったので、2階のトイレは洗面脱衣室と一緒にする。
これで居室−2が広くなり、将来、階段のところで間仕切れば、完全な個室になる。

 定例の打合せは、さんたちの仕事の帰りに、いつも同じ喫茶店でおこなっている。
毎回、少しずつ理解が深まっていく。
雑誌を見せてもらったりして、希望を確認していく。
いくら予算が厳しくても、少しでも楽しい住まいにしたい。

 トイレ脇に手洗い器をもうける話になった。
外出から帰ったときや、来客が食事前に手を洗う場所である。
白い陶製の既成の洗面器は、安価な精神だという。
手作りの手洗いが良いという。

 水が跳ねても、拭けばいいではないか。
さんたちには汚れを嫌うという発想がない。
それではタイル貼りのカウンターに、洗面器を手作りしたらどうかという話がでた。
焼き物で作るのだ。
さんにかぎらず、メーカー物の寄せ集めは、あきらかに見直されている。
高級というと、カタログから高額商品を選ぶことだった時代は、過ぎつつある。

 茶碗くらいの焼き物なら簡単だが、洗面器ほども大きな焼き物は難しい。
しかし、売り物にするのではなく、自分が使うのだ。
自分が使うなら、歪んでいても良いではないか。
完璧な完成品が良いとは限らない。
ちょっと歪んだり、ちょっと汚れがあっても、それがかえって味になる。
ましてや自分でつくった物なら、傷など気にならないはずだ。
ボクの知り合いが焼き物をやっているので、そこで作らして貰おうかと思う。

 ボクは設計者の立場から、じょじょに一緒に作る人になりつつある。
工事費は上昇しそうだし、仕事が増え、また自分の首を絞めている。
施工費の決定を考えると、見積書の絞り込みに頭が痛い。
でも、楽しい家にしたい。
いまは夢を広げる時期なのだ。

 おそらくさんたちの手作りにも参加することになるのだろう。
もともと大工だったボクは、若い頃には大工さんと一緒に現場仕事もした。
〈宝積院の山門〉でも、屋根を納めるときには大工をやった。
さんを初めとする宮大工たちは、イヤな顔をせずに玄翁(ゲンノウ)を持たせてくれた。
設計者が施工に参加するのは、大工さんには迷惑だったろうが楽しかった。

 この頃には、作る家の方向性が見えてきたので、設計契約つまり<建築士事務所の業務委任契約>を結んでもらう。
そして、契約時の業務報酬の支払いを受ける。
最初に払ってもらった着手金の10万円は、設計料に充当していく。
 
 外部の仕上げは、1階はサイディングにしてもらおう。
塗り壁が希望だったが、モルタルリシン吹きつけでは後日の割れがこわい。
弾性系の仕上げ材では、予算があわない。
そして、2階の外壁は、ガルバリウム鋼板の波板貼りとしたい。
1階と2階で仕上げを変えることによって、モダンな感じをだそうと考えた。

 内壁の仕上げ材が、なかなか見えてこない。
クロスはNGで、左官の塗り仕上げや、腰までの板張りが希望である。
床板はあとで張り替えるのはむずかしい。
がんばって、無垢の板を貼ろう。
天井はどうしようか。


 互いの希望や提案をもちかえり、1週間かけて、いろいろと調べてみる。
そして、定例の打合せで、また検討する。
イメージを煮詰めるとは、とても時間がかかることだ。
でも、想像に遊べる、この時期が一番楽しい。
8月にはいっても、建築計画はゆっくりとだが確実に進んでいる。

(2009.08.31)

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