サーファー プロジェクト       建築用語集
No.00 問い合わせがあった No.01 敷地の状況 No.02 設計依頼と試案提示 No.03 試案の提示−その2
No.04 定例の打合せ No.05 天井と室内仕上げ No.06 仕上げ、地盤 No.07 地盤と基礎
No.08 床下の話 No.09 無垢材か集成材か No.10 建築確認申請 No.11 見積と施工者
No.12 請負契約と銀行 No.13 着工した No.14 プレカット No.15 根切り開始
No.16 コンクリート打設 No.17 基礎とヘルスコート No.18 上棟前の仕事 No.19 上棟した
No.20 屋根と筋違 No.21 中間検査 No.22 現場の年納め No.23 新年を迎えて
No.24 細かいところ−T No.25 細かいところ−U No.26 細かいところ−V No.27 細かいところ−W
No.28 階段と屋根際 No.29 建て主の参加 No.30 ほぼ完成 No.31 最後の仕事
No.32 引渡し No.33 6ヶ月点検
建築主さんのブログ<junjun>へ

大工道具・電動工具やインテリア洋品を探すなら TAKUMI Amazon
TAKUMI Amazonから、タクミ商店に使えそうな道具を集めてみました。

No.02 設計依頼と試案の提示−その1
 しばらくして、さんから電話があった。
設計を依頼したいという。

 ある日の夕方、さんと現場で落ちあった。
その後、新しい家に持っていく家具などを測るために、自宅へと案内された。
さんは荷物をたくさん持っていると言っていたが、それほどでもない。
今のマンションでは大荷物かも知れないが、新しい家では大した荷物ではない。

 やがて奥さんも帰宅した。
希望を聞きながら、3人で家具などの確認をして、寸法を測る。
今後の手順を説明し、着手金の払い込みをお願いする。

 通常は2週間くらいの時間をもらって、試案をつくるのだが、今回はすでにシミュレーションしている。
そのため1週間くらいあれば、試案のプレゼンテーションができるだろうと思う。
次回は、ボクの便を考えて、駅近くの喫茶店で会うことにしてくれた。


 6月の末、ボクは図面と簡単な模型とをもって、喫茶店へとむかった。
今回は1200万円厳守が最優先とはいえ、ボクとしても住宅展示場のような家はイヤだ。
また可能なかぎり、自然素材を使いたい。
最初のプレゼンテーションは、もっとも力が入る。
ここで気に入ってもらわないと、着手金をもらっていながら、建築計画は沈没である。

尺間ではなく、メーターグリッドを使っている
 初回は、いつも緊張する。
とくに今回は、きわめつきのローコスト。
だからといって、建築主の希望を無視して、安物を押しつけるわけにはいかない。
ローコストは安物建築ではない。

 <試案−1>として、左図のような間取りを提案した。
広さは1階・2階ともに45uで、延床面積は90uである。
坪に換算すれば27.27坪で、4人が暮らすには最低限の広さであろう。

 1階は、厨房と食堂、それにつづく広い居間だけ。
階段を中央において、動線を短くする。
しかし、階段が吹き抜けのようになって、暖かい空気を2階に逃してしまわないように、階段踏み込みの両側に扉をつける。
雨の日でも両側の扉を開ければ、子供がぐるぐる回って遊べるように考えた。
階段の下には洗濯機、厨房のはしには食洗器と冷蔵庫。

 厨房と居間のあいだを食堂として、ダイニングテーブルをおく。
両親が来たときなど、ダイニングテーブルを居間のほうへ拡張できるだろう。
玄関と厨房のさかいに、建具をたてて間仕切ろうかとも考えたが、南北の通風を優先し開放的な室内をえらんだ。
1階にトイレをと頑張ったが、予算的に厳しいかなと、とりあえず見送る。
東側には隣家が接近しているので、窓を設けなかった。

 2階は広い1部屋だけ。
子供の成長にあわせて、間仕切りを増やしていけばいいと、ここでも南北の通風を優先した。
洗面所にトイレを入れたかったが、同時使用を考えると別室にすべきだろう。
1階にトイレを設けるようになれば、洗面所とトイレを一緒にして、居室−2を広げることにする。
タンスなどの背の高い家具で間仕切るのも、良いかも知れない。

 この間取りでは、クローセットや押入などの物入れがない。
もちろん、物入れの必要性は知っているが、最近、クローセットをつぶす例を知った。
はやりのウォーキング・クローセットをつくったけれど、デッドスペースになってしまい、部屋を広くするためにぶち抜いたのだ。
施工者からもこうした例を聞く。
Sさんの自宅を拝見したときに、クローセットや押入に入れる物はないように感じたのだ。
隠してしまう物ではなく、出しっぱなしにして、部屋のアクセサリーとしたほうが良いものが多い。

 衣類や靴などは、既製の収納家具がたくさん売られているので、それを利用してもらおう。
また、子供の成長にあわせて間仕切りをつくるときに、収納も考えればいいだろう。
〈超ローコストのRC住宅〉でも間仕切りはなかったが、 建築主のさんたちは不自由はないと言っていた。
この家は、住む人が自分のカラーに染めることができる。

グリーンの日除けと玄関、南側から見る

 外部は、模型をみながら説明する。
片流れ屋根は、もっとも経済的だし、シャープで若い感じがする。
北側斜線制限のせいで、勾配を決めてある。
四角い家なので、窓をたくさん取っても、構造的にすこぶる丈夫である。

 東西は隣家が接近しているので、南北の通風を大切にしたい。
現場に立つと、良い風がかよう。この風を遮ってはいけない。
うまくするとクーラーなしでいけるかも知れない。

 模型に見える青いものは、緑のカーテン、つまり植物による日除けである。
自然が、植物が好きだというSさんたち。
植裁をはかりたいというSさんたちなら、緑のカーテンを手入れしてくれるだろう。

 この模型は、1階と2階で分かれるように作っているので、2階を外して1階の内部を説明する。
階段を中心に、家のなかをぐるぐる回れる間取りは、今回の目玉でもあったのだが、こちらの説明は良く伝わらなかったようだ。残念!

 仕様について
1.基礎はベタ基礎とし、筋違+構造用合板の併用。
2.高気密・高断熱とする。
3.高性能グラスウール100ミリの充填断熱と、ペアガラス。
4.シックハウス対策には、F☆☆☆☆をつかって対応する。
5.外壁はサイディング、屋根はガルバリウム鋼板。

 今回の計画は、基本的に気に入ってもらったようだ。
それとも、予算を理由に押しつけてしまったのか!?
ローコスト住宅で、設計者がはたせる役割は、間取りや外観などの全体的な建築計画である。
仕上げ材については、なかなか設計者の手が届かない。

 仕上げ材は予算次第である。
クロスが¥1000/uであるのに対して、珪藻土となれば¥4000/uになってしまう。
内壁の面積が250uあれば、クロスなら25万円だが、珪藻土だと100万円になってしまう。
内部の壁仕上げは、クロスになってしまうが、それは再考していく。

 床材は節があっても、無垢のフローリングがいい、とさんはいう。
合板のフローリングは、貼り手間が安いのだが、無垢材だと貼り手間を余分にみなければならない。
しかし、節があっても良いのなら、採用できるかも知れない、と返事をする。
また、さんたちは、自分でできるものがあれば、自分たちでやるという。
たとえば、タイル貼りなどやってみたいと、積極的である。

 建築主の参加は、現場はかならずしも歓迎しない。
しかし、自分の家を自分でつくるのは、やはり心が残るものだ。
厨房廻りにはタイルが良いという。今回は参加してもらおうと思う。
またネットでの資材調達も取り入れていこう。

(2009.08.21)

試案の提示−その2>へ
〈タクミホームズ〉のトップへ戻る